ICを引き抜く

EL-210の信号を一通り計測したことで、LSIであるLI2026Aの素性を大まかに把握することが出来ました。

  • 25Vで動作している
  • バイアス電圧らしき端子があるが、内部発生か外部発生かは不明
  • クロックは内部生成らしい
  • VFDの桁スキャンとキーボードのスキャンは共通信号

キーボードはマトリクス方式ですので逆流防止ダイオードが必要です。しかし電卓本体にはダイオードがありません。おそらくは逆流防止ダイオードはLSIに内蔵されているのでしょう。しかしそうなるとグリッド・カットオフ電圧を出せません。したがって、桁ドライブ端子にはプルダウン抵抗も内蔵しているということになります。

外部からつついてわかるのはここまでです。ここで疑問として残っているのはあと一つで

  • フィラメント電圧のバイアスはLSIが作っているのか、電源回路が作っているのか

です。これはレイアウトを読んでも多分わかりません。トランスの仕様が手に入らないからです。そもそもレイアウトを読むのもめんどくさいですし、ここはひとつLSIを引っこ抜いてみることにしました。LSIを抜いてもフィラメント電圧に確かなバイアスがあれば、それは電源回路が作っていることになります。そこでオークションで改造用に1台購入してLSIを抜きました。

結論から言えば、LSIを抜いたあともバイアスは出ていました。したがってフィラメントのバイアスは電源からの供給であり、LSIからのバイアス電位供給はないということになります。

LSIを抜いた後はPCBにリボンケーブルをはんだ付けし、ケース裏側から信号を引っ張り出しました。経年劣化のせいかもともとそうなのか、パターンが基板からあっさりとはがれるのには閉口しました。導通確認後にホットボンドで固めたので、これで安心できると信じたいところです。ケーブルの反対側は24pin DIPのダミーにはんだ付けしており、ブレッドボードに挿しています。これで当面、いろいろと遊ぶことが出来ます。

抜いたLSIをブレッドボードに挿して、電卓を動かしている

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