VFD制御試験

LI2026Aを引っこ抜いて電圧を測ったことで、電源回路の素性を知ることが出来ました。いにしえのICEよろしく電卓から信号線を引っ張り出すこともできましたので、次はVFDの制御試験です。

EL-210は8桁電卓ですが、表示管は9セグメントです。

SHARPはこの当時8桁の数字表示の右にマイナス符号を置いていました。9桁目はこのマイナス符号とエラー表示用に予約されています。このような表示になっているのはマイナス符号を数字のすぐ左に表示するロジックが面倒だったからではないかと想像しています。カシオの70年代初期の電卓はマイナス符号を左詰め、数字を右詰めで表示するため間延びした印象があります。各社使用できるトランジスタ数と使用感を天秤にかけて工夫を凝らしていたのでしょう。使用できるトランジスタが増えるにつれ、表示や入力方法が人間に合わせたものになっていきます。

数字と小数点を合わせて1桁あたり8セグメント、それが9桁ですのでダイナミック点灯には17本の制御線が必要になります。ところがVFDの制御回路には数十ボルト数ミリアンペア程度の高圧信号の制御が必要ですので、マイコンで直接駆動することはできません。良くしたもので、そういった信号を扱う専用ICが生産されています。

MAX6921はセグメント&桁兼用ドライバを20本持ったシリパラ変換ICです。このIC1個で8セグメントVFDを12桁まで駆動できます。マイコンとのインターフェースはSPIインターフェースを使うことが可能で、転送後にLOADストローブを与えると転送したデータが出力に出てきます。

このICとNucleo L432KCを接続し、簡単なコントロール・プログラムを書いて走らせてみました。MAX6921は使用したピッチ変換アダプタのオーバーハングがひどすぎてバイパス・キャパシタも接続できない有様ですが、それでも難なく表示することができました。使いやすいICです。

MAX6921とVFD制御試験中のEL-210

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