BF70xボードはいつ「買い」になるのか

なんだか深刻なタイトルですね(笑)。

ツイッターで雑談していた際、ADSP-BF70xのアノーマリーを眺めながら「やっぱRev 1.0まで待ちだねぇ」なんて話になりました。BF706 EZ-KIT Lite Miniのような価格的に手頃なボードは出ているものの「Rev 0.0掴まされちゃたまらん」と、ADSP-BF518の時を思い出していたわけです。

エフェクタ

唐突ですが、エフェクタと言えばミュージシャンが使う踏んづけて使うやつから、スタジオで使うような卓に組み込まれているものまでいろいろあります。

ガレスタさんがTwitterで「どのボードを買えば良いのかわからなくなった」とおっしゃっていた背景には、冒頭に挙げたADSP-BF70xが「まだ」である話と、Interfaceで連載中のIFX-49に使われているADSP-BF592のメモリが足りない状況の板挟みになっているという事情があります。ADSP-BF592はデータとスクラッチを会わせても36kBしかなく、データ・メモリを全部ディレイに使ったとしても、1/3秒しか遅延できません(48kS/s, 16bit, mono の場合)。これじゃ単機能のエフェクタも苦しいですね。

数秒のディレイを実現したければ、Blackfinの場合L2あるいは外部SDRAMを使わざるをえません。ADSP-BF70xはL2を内蔵しているためBF706ならば30秒程度のディレイを実現できます。

じゃあどうする

一番良いのは待つことかなと思います。

ADSP-BF70xもそのうちrev 1.0品が主流になれば基板も安心して買えるようになるでしょう。その間別のことをすれるしかないですね。エフェクタにもアルゴリズムもあればUIも有るわけです。PCでアルゴリズムを練りながら、一方でIFX-49で低遅延のディレイを作りながら、パラメータを変えるUIを工夫するなどかな、と思います。

製品開発では、かつてはMATLAB一本槍だったモデル作成も、最近はSCILABが随分こなれてきていたり、あるいはPythonによる信号処理ライブラリが充実してきたりと随分選択肢は広がりました。こういったツールを使ってアルゴリズムを練り、最後に実装するというやり方が一般的ですので、そういうフローになじむ意味でもPCでアイデアを練る時間は無駄では無いと思われます。

また、アルゴリズムの確認は実装前にVSTプラグインに落としてAudioMulchのようなVSTホストでリアルタイムにチェックするといった方法もあります。

AudioMulchはVSTプラグインをGUI上でグラフとして接続し、多数のエフェクトを連携させてリアルタイムにその動作を確認するという面白いアプリケーションです。VSTは自分でスケルトンを元に作っても良いですが、JUCEのようなフレームワークをつかえば作るのはもっと簡単になります(JUCEは使ったこと無いです)。

海路の日和あり?

ということで、あまり据わりの良いまとめではありませんが急ぎじゃ無いのなら待ってみるのも手かな、というわけです。もちろん、最近増えたCORTEX-M4Fボードで動くオーディオ・フレームワークを探してみるのも一つの手です。

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