今やっているOSSがらみのことでMSYS2について調べています。ところが国内ミラーが無いことに気が付いてしまいました。
MSYS2とは何かを書くと、なにかの宗教戦争に巻き込まれるんじゃないかと不安になるほど複雑に思えます。が、大雑把に書くとこんな感じです。
- WindowsのプログラムをGCCで開発するためのMinGWプロジェクトを土台にして
- Windows上にUnix関連コミュニティのプログラムを移植する
ですのでAwkやsedといったツールを気軽に使うことができることがメリットです。
さて、このプロジェクトは「レポジトリからプログラムをダウンロードする」形式ですので、レポジトリ・サーバーが存在します。それらのリストはシステム内の設定ファイルにまとめてありますが、当然ながらプロジェクトが運営する最上位のレポジトリ・サーバーは日本国内にはありません。日本からアクセスすると速度が遅くなります。そこで参照するレポジトリを日本国内のミラーサーバーに設定してみようと思い立ちました。
参考になるのは、例えばこちら。
あるいはよく参照されているGitHub上のローカル・ミラーリスト。
いずれもJAISTのミラーサーバーを参照しています。そこで、自分で設定ファイルを変えてみたものの、うまくいきません。pacman -Syyu コマンドがエラーを起こします。
error: failed retrieving file ‘msys.db’ from jaist.dl.sourceforge.net : The requested URL returned error: 404
404はpage not foundではないですか。
よくよく調べてみたところ、MSYS2プロジェクトはかつてのホストであるsourceforgeから撤退していました。今でもsourceforgeにはプロジェクトのフロントページが残っていますが、注意深く見ると2021年12月8日をもって新サイトに移行と小さく書いてあります。その時にリポジトリもsourceforgeから消したのでしょう。
おかげで、sourceforgeをミラーしていたJAISTもリンクが切れてしまったようです。JAISTの管理者に連絡をしようかな…と思ったのですが、
- JAISTの運営が厳しそうで見ていてつらい。
- MSYS2そのものがWSLに押されているのか、日本国内ミラーについて話している人がほぼいない。
といった理由で連絡しあぐねています。
なお、ここまで深堀りすることになった発端は、「pacmanでgraphvizをインストールできない」問題です。パッケージマネージャあるいはレポジトリの不具合はよくあるようで、「パッケージを手作業でダウンロードすれば解決するよ」というコメントがネット中にちらばっています。
MSYS2はお手軽ですが
「これさえあればWSLを使う必要は無い」
とはならないようです。