TLV32AIC3204のFs192kHz動作

TLV320AIC3204は、192kHzまで使え、アンプ内蔵で平衡入力も可能、なんとかでて作業でもハンダ付けできると至れり尽くせりのCODECです。

ところが最近になって公式にはFs 192kHzのADCバンド幅は22kHzしかないことがわかりました。そんな殺生な。

調べてみるとこの件はTTさんが触れています。また公式掲示板でも何度も語られています。

結論から言うと、192kHzで使うにはデシメーションフィルタBを使います。このフィルタはアプリケーションノートでは96kHzまでですが、多くの人が192kHzで使えると言っています。

ただし、ゲインが不足するので内蔵デジタルフィルタとデジタルゲインで保証しなければなりません。この場合、SNがゲイン補正分悪化しますが、ハイエンドの応用以外では許容範囲内でしょう。何となくエラッタを修正するのが面倒だったのではないかと思います。データシートには192kHzの特性が記載されておらず、あまり感心できません。

このコーデックは内蔵フィルタが多種にわたりPEQ(パラメトリックイコライザ)をハードウエアで実装できるなど、非常に高機能です。一方で、I2SのBCLKをそのまま使ってPLLを端折るといった使い方も可能です。高機能と使いやすさ、そして低コストを狙う代わりに絶対的な性能を諦めたのかな、と言う気もします。

まさにSoC的な設計です。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください