Aitendoから発売された電波時計モジュール DAE6180B1COB を購入しました。
このモジュールはMicro Analog Systems社の評価/生産用モジュールをそのまま販売しているものです。1個750円です。
特徴
最大の特徴は1波専用受信機であることです。モジュールが使用しているLSI MAS6180はシングルバンド専用受信機です。そのため、西日本で60kHz、東日本で40kHzによる時刻情報を送信している日本では、逆立ちしてもこのモジュールで全土をカバーすることは無理です。
モジュールの出力はディジタルレベルで、送信されている信号の検波結果がパルスとして出てきます。これをマイコンで読み込み、タイムコードを解読し、遅延を補償することによって時計あわせを行います。
なお、アンテナの設置方法などの技術情報がMAS社のWEBサイトにあります。
クリスタルとコンデンサ
Aitendoで販売されているモジュールは60kHz品ですので、西日本でしか使えません。東日本の方はデュアルバンド品が販売される可能性にかけて待つのが得策です。
待てないという方は次のような点を考慮しなければなりません(未検証)。
まず、クリスタルの変更が必要です。モジュールは60kHz品と思われるクリスタル振動子を実装しています。これを取り外して40kHz品のクリスタルと交換します。このクリスタルはフィルタとして使用されています。LSIのデータシートによれば、40kHzを受信するには40.003kHzのクリスタルが必要だそうですが、そんなものが手に入るかどうかは不明です。Digikeyでは40kHzのクリスタルを100円で買うことができます。
また、タンク共振回路には2.5nFのコンデンサが使用されています。共振周波数を2/3に落とすために、4.7nFのコンデンサに置き換えることになるかも知れません。これは実験が必要です。
遅延とジッターについて
運良く信号を受信できても、信号には遅延と揺らぎがあります。遅延は50-100mSとのことですので、テレビの時報と比べれは差はわかるでしょう(ただし、衛星放送には大きな遅延がある)。
気になる人はその分補正が必要になります。また、時計は毎回基準信号と付き合わせて補正すると時間のジャンプがおきます。一方で伝搬状態により受信モジュールの出力パルスにもジッターが混入します。そこで、毎回補正するより、複数回の補正結果から長期的な時計の累積誤差を精密に求め、その分を進み/遅れの定常的な補正に反映させることで、時間のジャンプを防ぎつつ、受信信号からのジッターから逃げることもできます。
もちろん、目覚まし時計に使うだけなら遅延もジッターも無視してかまいません。