Nucleoの"NC"ピンにご注意

Nucleo 64のユーザーズマニュアルであるUM1724 Rev 13にはコネクタのNC表記にいい加減な点があります。踏みぬくと原因不明の動作異常に見舞われますのでご注意ください。

具体例を上げると、FIgure 25によればCN10のpin 18はNCになっています。Not Connectedならば問題あるまいと信号線を繋いでおいたのが運の尽きです。なぜそんなことをしたかというと、例えばNucleo L152ではこのピンがPB11になっています。PB11はI2C2_SDAとして使えるためL152ではこのピンを使います。一方、F446ではPB11が無く、PC12がSDAとなります。手持ちの基板でなるべく共通のドーターボードを作りたかったので、CN10-18と CN7-2を直結していたのでした。

全く原因を推察できないトラブルに見舞われたあと、ドーターボードを外して全配線をワイヤーで再現してピンを一本づつ確かめたところ、この原因を掘り当てたのでした。

STM32L152のLQFP64パッケージではpin31がPB11となり、これがCN10の18番ピンに接続されています。一方、STM32F446のLQFP64パッケージではpin31はVCAP1に機能変更されており、かつ、CN10の18番ピンに接続されています。これはSTM32F446REのデータシートに書いてあります。

Nucleo 64ユーザーズマニュアルのFigure 25は間違いですね。

ワークアラウンドは簡単で、CN10 Pin 18を切り飛ばしてしまえば済みます。VCAP1をドーターボードが使うことはないでしょう。

この問題はSTのコミュニティに報告していません。さすがに食傷気味です。

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