DoxygenのHTML出力はクリッカブル・リンクが大変便利です。
一方で、このHTML出力は検索エンジンをカスタム化しない限り、検索機能が非常に限られるという欠点があります。デフォルトでは抽出済みキーワードしか検索対象にならないため、「思いついたキーワードで検索する」という、初学者がよくやる手が使えません。
そこで、PDF化することにしました。
Doxygen文書のPDF化には2つの方法があります。
- RTFで出力してMS WORDからPDFに変換する
- LaTeXで出力してPDFに変換する
1は試したことがありますが、手間がかかる割に出力が汚く、実用に耐えません。
長いこと2を試そうと思っていたのですがTeXの経験が皆無でしたので二の足を踏んでいました。今回ようやく踏み切ったわけです。
TeX Liveのインストール
TeXは情報が膨大である一方、あまりにも歴史が古く、しかも多くの人が各地でサポートしたために取っ掛かりがわからず苦労しました。結論から言えば、TeX LiveからDVDイメージをダウンロードしてインストール・スクリプトを走らせれば終わりです。
インストール・スクリプトには複数あるためどれを走らせればよいか、予め調べておきましょう。現時点ではUnixはinstall-tl、Windowはinstall-tl-windowsです。
なお、Windows版は実行後にパスまでセットしてくれますが、Unix版はそこまではやってくれませんので、最後に表示されるパスを自分で.bashrcに設定します。
作業が全部終わったら、簡単なコマンドを実行してパスが通っているか調べましょう。
pdflatex
Doxygenの設定
LaTeXを使うようDoxygenを設定します。私はEclispeからeclox経由でdoxygenを使っています。
あとは、Doxygenを実行するだけです。実行するとlatexディレクトリに以下のようなものが生成されます。
- 中間TeXファイル
- 中間PDFファイル
- Makefile
ここでmakeを実行すれば最終出力のPDFファイルが生成されます。
まとめ
食わず嫌いのLaTeXですが、Doxygen経由で使う分にはタグ打ち等は不要ですので気楽です。とはいえ、章タイトルはHTML文書用のままでは座りが悪いように思えます。
Doxygenコメントを打つときに、PDF化を考えながら作業する必要がありそうです。