被変調波に載っている情報を取り出すことを復調、あるいは検波と呼びます。振幅変調方式の代表的な検波方式である包絡線検波(包絡線復調)について見てみます。
図1のような被変調波を検波するにはどうしたらいいでしょう。直感的に思いつくのは、包絡線をそのままとりだせないかというものです。この着想にそって行う検波が包絡線検波です。
図1 振幅変調波
包絡線検波の方法は簡単です。図2のように被変調波を真っ二つに切って上半分のみを取り出します。二つに切るには正の電流だけを通し、負の電流を止めるようにします。このようにして現れた波形を均してやれば、たちどころに検波出力を得ることができます。
図2 包絡線検波
では、変調波を真っ二つに切って均す回路を見てみましょう。図3がそれです。ダイオードを使って順方向だけ流し、LPFで高周波をカットすることで希望する信号を取り出します。(a)は概念どおり素直に組んだ回路ですが、実際には雑音に弱いので(b)のようにすることが多いです。
図3 検波回路
包絡線検波方式は簡単なのでAMラジオでよく使われます。ダイオードを使った回路以外にも多くのバリエーションがあります。
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