mbed用オーディオ・フレームワーク、『雲仙』ですが、Nucleo F746ZG版を追加公開しました。
追加公開部分の解説は、先週公開した文書に追記しています。一旦動き出すとmbedは開発環境がお手軽と言うこともあって、実に手頃感がでてきます。
さて、ソフトウェアが開発完了したのでハードウェアに手を出しています。久しぶりにPCBの設計をしました。これまで作ったPCBはEagle 4.1を使っていました。これは4層まで作ることのできるライセンスを購入したCADですが、Windows Vistaまでしか対応していないため、どうするか考えあぐねていました。
結局CircuitMakerとKiCadを比較した結果、KiCadで行くことにしました。選定にあたって一番大きなポイントとなったのは、設計時の部品選定時間でした。
CircuitMakerは部品を選ぶプロセスが致命的に遅いです。例えばピンヘッダひとつ選ぶのにも、「ピン数のバリエーション」が揃っている製品を調べようとすると、途方も無い時間が掛かります。KiCadはフットプリントのレンダリングが速いため、さくさくと作業が進みます。
いずれのソフトもヘルプが充実しているとは言いがたいです。外から見て思うのはPCB CADは方言の多い世界だと言うことです。例えば、シルク・スクリーンの印刷層がどのような名前になっているかは、CAD事に違うようです。PCB製造業者は全て標準化されたGerbarデータを受け取っているだろうに、妙なことです。いずれにせよ、層の名前とその意味を知ることはフットプリント作成上で不可欠なのですが、どのソフトも一発でそこに到達できるヘルプ機能を持っていません。WindowsのGUIフレームワークはフォーカスの当たっているインプットのヘルプを一発で出す機能を持っているはずですが、ソフトウェア作成者にそれを使う気は無いようです。
結果的に、CircuitMakerはツールを使う時間よりネットを検索している時間の方が長くなりました。KiCadも上記の意味でヘルプが充実しているとは言いがたいですが、ユーザーが作ったページをたぐっていくと、CirucuitMakerよりは楽に目的の情報にたどり着きます。
そんなこんなで主に週末にかけてツイッターに愚痴を呟きながら作業していました。KiCadでNucleo F746ZG用にUMB-ADAU1361Aアダプタを設計しました。現在、設計を繰り返し見直しているところですが、そのうちスイッチ・サイエンスのPCB製造サービスに発注しようかと考えています。