SPx_TSCKDIV ( SPORTx Transmit Serial Clock Divider )レジスタは、シリアルポートの送信クロックを決めるためのレジスタです。
SPORTが3系統あるため、SP0_TSCKDIV、SP1_TSCKDIV、SP2_TSCKDIVの三本が用意されています。
このレジスタは16ビットの整数レジスタです。リセット後は0に初期化されます。
SPx_TCRのICLKを1にするとSPORTは送信クロックを内部生成します。このとき、送信クロックの周波数はSPx_TSCKDIVで決定します。送信クロック周波数は以下の式で決まります。
SPx_TCLK[Hz] = HCLK[Hz] / 2 / ( SPx_TSCKDIV + 1 )
HCLKは内蔵ペリフェラルの動作クロックです。詳細はPLLCTLを参照してください。上の式から送信クロックの最大周波数はHCLK/2であることがわかります。ADSP-2191Mの場合は40MHzです。
マルチチャンネル(TDM)でSPORTを使う場合、SPx_TCRのICLKは0に設定します。したがってSPx_TSCKDIVは設定する必要はありません。無視されます。TCLKxはRCLKxと接続しておきます。
C/C++言語用に以下のインターフェースが用意されています。宣言はsysreg.hで行われています。SPx_TSCKDIVにアクセスする前には必ずIOPGにSPORTx_Control_Pageを設定してください。SPORTはポートごとにIOページが異なりますので注意が必要です。
SPORT0の場合は以下のとおりです。
// #include <sysreg.h> // #include <def2191.h> sysreg_write(sysreg_IOPG, SPORT0_Controller_Page) // SPORT0ページに設定 io_space_write(SP0_TSCKDIV, 値) // SP0_TSCKDIVに値を設定 変数 = io_space_read(SP0_TSCKDIV) // SP0_TSCKDIVの値を取得
SPORT1の場合は以下のとおりです。
// #include <sysreg.h> // #include <def2191.h> sysreg_write(sysreg_IOPG, SPORT1_Controller_Page) // SPORT1ページに設定 io_space_write(SP1_TSCKDIV, 値) // SP1_TSCKDIVに値を設定 変数 = io_space_read(SP1_TSCKDIV) // SP1_TSCKDIVの値を取得
SPORT2の場合は以下のとおりです。
// #include <sysreg.h> // #include <def2191.h> sysreg_write(sysreg_IOPG, SPORT2_Controller_Page) // SPORT2ページに設定 io_space_write(SP2_TSCKDIV, 値) // SP2_TSCKDIVに値を設定 変数 = io_space_read(SP2_TSCKDIV) // SP2_TSCKDIVの値を取得
項目 | マニュアルのページ等 |
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レジスタ説明 | HR B-35 |
クロック設定 | HR 9-19 |
マルチチャンネル | HR 9-30 |