SPx_TFSDIV ( SPORTx Transmit Frame Sync Divider )レジスタは、シリアルポートの送信フレーム同期信号の周期を決めるためのレジスタです。
SPORTが3系統あるため、SP0_TFSDIV、SP1_TFSDIV、SP2_TFSDIVの三本が用意されています。
このレジスタは16ビットの整数レジスタです。リセット後は0に初期化されます。
SPx_TCRのITFSを1にするとSPORTは送信フレーム信号を内部生成します。このとき、送信フレーム信号の周期はSPx_TFSDIVで決定します。送信フレーム周期は以下の式で決まります。
フレーム周期[送信クロック] = SPx_TFSDIV + 1
フレーム周期の単位は送信クロックです。例えばSPx_TFSDIVに15を設定すると、16送信クロックごとにフレーム信号が生成されます。フレーム周期の最小値は上の式より1となります。この場合フレーム信号はトグルせず、常にDC値が出力されます。しかし、シリアルポートに接続されたデバイスを正常動作させるには、普通はフレーム信号周期をSPx_TCRのSLENで指定するワード長と同じかより大きなものにしなければなりません。
マルチチャンネル(TDM)でSPORTを使う場合、シリアルポートは送信フレーム信号を作らず、常に受信フレーム信号を流用します。したがってマルチチャンネルモードでは送受信のフレームはいつも同期しています。
TFSxはフレーム信号ではなく、「送信データ有効」フラグとして用いられます。すなわちマルチチャンネルモードでは、TFSxが1のとき、そのシリアルポートから信号が出力されています。
C/C++言語用に以下のインターフェースが用意されています。宣言はsysreg.hで行われています。SPx_TFSDIVにアクセスする前には必ずIOPGにSPORTx_Control_Pageを設定してください。SPORTはポートごとにIOページが異なりますので注意が必要です。
SPORT0の場合は以下のとおりです。
// #include <sysreg.h> // #include <def2191.h> sysreg_write(sysreg_IOPG, SPORT0_Controller_Page) // SPORT0ページに設定 io_space_write(SP0_TFSDIV, 値) // SP0_TFSDIVに値を設定 変数 = io_space_read(SP0_TFSDIV) // SP0_TFSDIVの値を取得
SPORT1の場合は以下のとおりです。
// #include <sysreg.h> // #include <def2191.h> sysreg_write(sysreg_IOPG, SPORT1_Controller_Page) // SPORT1ページに設定 io_space_write(SP1_TFSDIV, 値) // SP1_TFSDIVに値を設定 変数 = io_space_read(SP1_TFSDIV) // SP1_TFSDIVの値を取得
SPORT2の場合は以下のとおりです。
// #include <sysreg.h> // #include <def2191.h> sysreg_write(sysreg_IOPG, SPORT2_Controller_Page) // SPORT2ページに設定 io_space_write(SP2_TFSDIV, 値) // SP2_TFSDIVに値を設定 変数 = io_space_read(SP2_TFSDIV) // SP2_TFSDIVの値を取得
項目 | マニュアルのページ等 |
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レジスタ説明 | HR B-36 |
クロック設定 | HR 9-20 |
マルチチャンネル | HR 9-31 |