EZ-KIT Liteを使ってみて気づいた注意点などを列挙します
USBケーブルをPCに挿すと、EZ-KIT Liteはファームウェアのダウンロードを開始します。私のPCではこれに15秒程度かかります。必ずEZ-KIT LiteのUSB LEDが点灯するのを確認してからVisualDSP++を起動してください。
ファームウェアダウンロードが終わる前にVisualDSP++を起動すると、VisualDSP++がフリーズしたように見えることがあります。この場合EZ-KIT LiteのリセットSWを押すと、フリーズが解除され、「ターゲットを使用できなかった」とエラーメッセージを出してきます。ここでVisualDSP++を終了し、EZ-KIT LiteのUSB LEDが点灯するのを待ちます。
場合によってはVisualDSP++を再起動すると「EZ-KIT Liteのライセンスが無い」などと言い出して慌てることが有りますが、これはVisualDSP++を終了してEZ-KIT Liteの電源を入れなおすと正常に戻るようです。
逆にいえばリセットSWをどうしても押したければVisualDSP++を一旦終了してください。リセットSWを押すとファームウェアの再ダウンロードが始まりますので、USB LEDが点灯するのを確認してVisualDSP++を再起動します。
ボード全体ではなくDSPをハードウェアリセットしたい場合、VisualDSP++から行うことができます。メニューバー⇒Debug⇒Resetを実行してください。リセットしたらプログラムを再ロードしてください。
ボードのほうは問題ないのですが、VisualDSP++がクラッシュしてしまいます。なお、VisualDSP++を終了してしまえばさっさと抜いてかまいません。
これはビルドの時に起きることが有ります。実際にはファイルが壊れているのではなくて、VisualDSP++の問題のようです。VisualDSP++の再起動、それでだめならPCの再起動、それでもだめなら*.dxeおよび*.dojを消してください。普通はプロジェクトウインドウ⇒プロジェクトアイコンを右クリック⇒cleanでこれらのファイルを安全に消すことができます。
VisualDSP++は外国製ソフトですので、基本的には日本語化されていません。ただし、私の手元では次の組み合わせで日本語のコメントを表示・編集できます。
VisualDSP++3.0 for 21xxのままでは日本語はうまく表示できないようです。上からVisualDSP++3.0 for SHARCをかぶせるとうまく表示されます。
この組み合わせで次のように設定を変更します。メインメニュー⇒Settings⇒Preferences...⇒Editorタブ⇒File Typeで希望するファイルの種類を選択⇒FONTボタン。ここでフォントを選べますので好きな日本語フォントを選び、書体の種類を日本語としてください(Fixedsysがお勧め)。繰り返しますが、誰も保証してくれませんのでこの組み合わせで表示できない場合あきらめましょう。また、版や環境が変わると正しく表示されないかもしれません。
なお、ソフト自身2バイト文字に対応していませんので、インライン入力ができませんし、消去は1バイトずつとなってしまいます。
VisualDSP++は外部のプログラムが修正したファイルを検知して、自動的に再読み込みする機能が有ります。これはソースコードの編集を外部の使い慣れたエディタで行い、プロジェクト管理、ビルド、ソースコードデバッグをVisualDSP++で行うときに便利な機能です。
デフォルトでは再ロードするかどうか問い合わせてきます。この設定の変更はメニューバー⇒Settings⇒Preferences...⇒Projectsで行うことができます。
VisualDSP++の最新パッチはAnalog DevicesのFTPサイトからダウンローできます。URLについてはリンクページを参照してください。ダウンロードできるなかで最も重要なものはコンパイラーのパッチでしょう。比較的頻繁にパッチがリリースされています。また、同じくリンクページからDSP Tools Upgradeページにジャンプできます。このページからは最新VisualDSP++の正式版やサービスパックをダウンロードできます。
⇒次は3.0にアップグレード