フラッシュ・プログラマー

VisualDSP++3.0対応 2002.Sep

EZ-KIT LiteにはフラッシュROMが搭載されています。このフラッシュROMにプログラムを焼きこめばVisualDSP++なしにEZ-KIT lite上でプログラムを走らせることができます。

プログラマーの用意

VisualDSP++3.0からはフラッシュプログラマーもデフォルトでインストールされます。

フラッシュ・プログラマーを使うにはVisualDSP++でメニューToolsFlush Programmerを実行します。すると下の図のようなウインドウが現れます。

フラッシュ・プログラマーのウインドウ

ここでLoad Driverボタンをクリックすると、フラッシュ・プログラマーがUSBケーブル越しにEZ-KIT Liteにダウンロードされます。ダウンロードが成功するとステータスが緑に変わります。

次にダウンロードしたいプログラムをData File:フィールドで指定し、Load Fileボタンをクリックするとアプリケーション・プログラムのダウンロードが始まります。ステータスが緑に変わると、ROMへの焼きこみは完了です。

ダウンロードするファイルを作る

すでに触れましたが、ダウンロードするファイルは.dxeではなく.ldrファイルです。このファイルは「ローダー・ファイル」と呼ばれ、アプリケーション・プログラムとブートストラップ・ローダーの詰め合わせです。

ローダー・ファイルの作り方は簡単です。プロジェクト・オプションを開いてタイプをLoader Fileにします。そして再ビルドすればアプリケーションのローダーファイルが生成されます。ブートストラップ・ローダーはVisualDSP++が提供するので心配は無用です。

VisualDSP++のブートストラップ・ローダーはADSP-2191のレジスタの初期値を変更してしまいます。そのため、ブートストラップ・ローダーが使いそうなデバイスに関連するレジスタは、アプリケーションの先頭で再初期化する必要があります。EZ-KIT Lite 2191のフラッシュROMはバス接続です。しかしEZ-KIT Lite版VisualDSP++ではバスに接続したメモリーを使えませんので、再初期化しなくても問題にはならないでしょう。

なお、割り込みベクターの値も変わってしまうため、IPRxの再初期化が必要です。これを怠るとIRPxの初期値に依存したプログラムは動作しなくなります。再初期化するにはアプリケーションの先頭に以下のコードを挿入してください。

#include <def2191.h> // ファイルの先頭に置く
#include <sysreg.h>

    sysreg_write( sysreg_IOPG, Interrupt_Controller_Page );  // main()の先頭に置く
    io_space_write( IPR0, 0x3210 );
    io_space_write( IPR1, 0x7654 ); 
    io_space_write( IPR2, 0xba98 ); 
    io_space_write( IPR3, 0xbbbb ); 

最後にブートモードをEPROMブートにしなければなりません。EZ-KIT LiteのJP6を次の図のように設定してください。

ブートモードの設定

アップグレード

フラッシュ・プログラマの最新版はAnalog DevicesのFTPサイトからダウンロードできます。

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