以下の情報は非常に重要なものです。2002年12月時点での情報ですので当然それ以降は状況が変わります。常に最新のアノーマリーを参照するようにしてください。
アナログ・デバイセズは設計ミスや製造上の問題によって起きた製品の不具合をアノーマリーとして発表しています。アノーマリーには問題が発生する条件やその対策方法が書かれていますので設計時には必ず参照しなければなりません。
2002年の10月に発行されたADSP-2191用のアノーマリーRev 0.2には非常に重大な不具合の説明がありますので、その点をここに解説しておきます。
アノーマリー5.に「DMA書き込みとパイプラインのストール」について説明があります。
DMAが異常停止します
SPORT、またはmemDMAによる内部SRAMへのDMA書き込みと以下の動作が同時に発生すると、DMAが異常停止することがあります。
回避方法は以下のとおりです。
アノーマリー6.に「EMI DMA書き込みとペリフェラルDMA」について説明があります。
DMAが異常停止します。
SPORT、またはmemDMA(計4系統)のうち2系統異常が同時に内部メモリーに書き込みを行うとき、3番目のペリフェラルのDMAが外部メモリー(EMI)への書き込みを行うとDMA動作が異常終了します。
回避方法は以下のとおりです。
「DMA書き込みとパイプラインのストール」の回避方法の1.は事実上不可能であることに注意してください。一般的な高速SPORTアプリケーション(MCMなど)は、ダブル・バッファ・アルゴリズムを使って四六時中データ転送を行います。そのため、DMAは常に動作中であり、その間IOレジスタへの読み書きを避けるなど不可能です。実際のところMCMを使ったアプリケーションでもコアによるIOアクセスを増やせば再現できる可能性があります。そのうちやってみるつもりです。
これは致命的な問題なのでアナログ・デバイセズの動向を注目する必要があります。現在はWEBなどには対応は公表されていません。